ネタばれ注意。海辺のカフカ何が面白いの?

海辺のカフカ〈下〉

海辺のカフカ〈下〉

海辺のカフカ、通勤電車で読み終わった。後半で一番面白かったのは、ナカタさんのカラダから白い生物が出てくるところ。きっと、ナカタさんが子供の時に山で見た物体はUFOで、白い物体はナカタさんに寄生した宇宙人。まぁ、UFOはいいけど、宇宙人というか「違う世界」の生物かな。あまりに露骨。典型的エイリアン映画的結末でなんじゃそりゃって感じ。そういう単純で具体的なストーリーが好きなので、嫌みじゃなくて本当にその部分は面白かった。

冗長な哲学話はやめて、SFもので突っ走ってもらいたい。


冗長といってはかわいそうかもしれないけど、UFO話的だけでなく哲学的にも典型的。ものがたりの中では「自分を全体といっしょにする」とか「生きてることに意味はない」とか「なんとなく登場人物は生まれ変わりつづける」とかいう思想が多く出てくる。そういう思想はまぁブッキョウ的な考え方かなと思う。ダサイニューエイジ的思想とも感じる。全く新しい感慨をうけることは無かった。


もう一つ文句を言うと、全般に女性差別的。フェミニズムの活動家が出てきてバイセクシャルな大島さん(だっけ?)にやりこめられるシーンは不必要。フェミニズムの活動家の設定がそもそも古い。いまどきそんなにバカな活動家少ないと思う。かりにまだ生き残っていたとしてもそういう人たちが偏向した思想だってことを示す手法としてこの小説の設定は際だって陳腐。電車で少し失笑した。
後半には「セックスマシーン」の女の人がそれほど意味無く出てくるあたりでウンザリ。ムラカミさんは女をなんだと思ってるの!わけわかんないけど、こっちまでしゃべり方ヘンになっちゃうし。電車でそのページだけ読んでるとこ見られたら、キヨスクで売ってるエロ小説読んでると誤解されちゃうじゃないのよ!


さあ、感想をまとめます。色々書きましたが、色々思わせてくれるというのは良いことではないかなと思います。バカ売れする理由はわからないけど。