ネタばれ注意!海辺のカフカ上巻読み終わる

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

昨日上巻を読み終わって、今下巻の半分くらいまで読みました。だいぶペースアップ。
基本的に少年タムラとおじさんのナカタさんの物語が交互に語られながら近づいていく。面白いのはナカタさんのパート。タムラのパートはおもしろくない。
物語としても特に上巻の終わりの方とかはイライラした。イライラしたというのは率直な感情。イライラしたのには2つくらい理由がある。

1つめは、はっきりしない詩的な表現。文学だから当たり前じゃないか?!と言われるとそのとおりかもしれない。でも、僕はこういう表現は嫌い。作者が言いたいことがはっきりしていないのか、言いたいことをはぐらかしているのか。どちらにせよ、読者としては作者の意図を考えながら読むわけで、読んでいても考えさせられるのでイライラする。

2つめは、妙なバランスの良さ。文学っぽく哲学表現や詩的表現が出てきて、ダサイ。(ダサイ自体がダサイけど。)で、問題はそのダサイ感じをごまかそうとして、カーネルサンダースが出てくるところ。カーネルサンダースがふざけたことを言うのは面白いけど、それが哲学のカタサを和らげるための作戦のように感じた。そんなところで中途半端に読者を意識しないで欲しい。


では、ダメダメ本か?というとそんなことないです。実際下巻を買って、もう半分以上読んでます。こういうふうに僕にイライラ感を感じるのは、読者の感情を揺さぶっているわけです。本としては良いのだと思います。