年金不正免除は、不正だけど善だ。

<社会保険庁は29日、国民年金保険料の不正免除・猶予問題の緊急調査結果を公表した。本人の意思を確認しないで手続きをした違法な事例が新たに岐阜、静岡、奈良、秋田、埼玉の5県で見つかり、総計は従来より2万4354人多い計8万2040人になった>


なんだかマスコミは社会保険庁タタキに必死です。


だけど、言いたい。
これは善いことだ。


だって、本来年金の保険料を免除される権利を持っている人の免除手続きを
役所がやることの何が悪いの?
絶対に勝手に免除手続きしてもらえた人は喜んでるよ。


問題は、法律では手続きは本人がやることと定めていたことにある。
だから、役所が手続きを代行したのは違法の可能性があり、不正だということ。
(細かく見ると、違法か合法かグレーかは個別ケースで分かれるようです。
http://d.hatena.ne.jp/nami-a/20060530/p1


本当の問題はこの手続きを定めた法律。
だって、年金保険料が免除される人は自動的に免除すればいいでしょ。
わざわざ、本人に手続きさせて審査するなんて
①本来免除されるべきひとが支払う可能性がある
②役所の事務手続きが増える(免除審査でね)
ことを考えると悪法でしょ。


そもそも年金の問題は、支払いの方法が不明瞭なシステムだったことに
はじまってるわけです。
今回の問題は免除のシステムも不明瞭だったことに起因すると思う。


保険庁の人は実際にはノルマに追われて手続きの不正をしたんだろうけど、
見方によってはこれは善行だと思う。


年金システムの公共性と平等性を根本的に見つめ直して考えれば、
今回の問題で最も糾弾すべきは、「手続きに関して定めた法律」。法律を変えよう、という議論が何故起らない??