日本仏教の流れがわかる
- 作者: 梅原猛
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2002/01
- メディア: 単行本
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仏教系の中学校での「授業」を本にしたもの。一応、中学生向きの講演録なので読みやすい。ブッダから始まる仏教の歴史と、日本においての仏教の歴史がわかりやすくまとめられています。
感想
仏教の本としてはとてもわかりやすいですが、中学生には難しすぎると思います。と、偉そうなことを思いながら読んでいると、第六章(時限)を読んでびっくり。この章では「人生に宗教は必要か」というテーマで生徒が討論するんですが、生徒の意見はきちんとした言葉な上に心がこもっていて、私も真剣に考えながら読みました。中学生のなんともいえない自由な鋭い意見の後に、梅原さんの豊富な知識を元にしたまとめの言葉が虚しい。
仏教全体からみた日本仏教の位置づけの感覚が少しつかめる気がするので、入門書としては有益だったと思います。
心に残ったひとこと「まずは平等。人間は平等である。それから知恵。知恵によって人間は自由にならなくてはならない。もう一つは慈悲。すべての人たちに対して、生きとし生けるものに対してあわれみの心を持つ。この三つですね。この三つがある限り、いかなる仏教も仏教であると私は思います。」p. 94